黄昏のクレヨン

あのクレヨン革命から8年…
あの時の我々の選んだ道は正しかったのか。
今、あのクレヨン戦争以降の歴史を振り返り、現在の問題について改めて解いてみようではないか。

クレヨン戦争のきっかけは本の些細なことだった。
それが、あんな大きな問題になるだなんてその時は想像すらできなかった。
この世界を創造した神をも巻き込んだ、大戦争、それがクレヨン戦争、あるいは黄昏のクレヨンと呼ばれる、歴史上最もくだらない争いである。

当時のクレヨン

当時のクレヨンはただの概念的存在であった。
そのクレヨンが如何にして、地球を半分にしたのか、そのことを語れる人間はごくわずかである。
事実を目の当たりにした殆どの命が、瞬きする間もなく吹き飛ばされ、運よく逃れた者はその事実を受け入れることが出来ず、ミョウガを食べて全てを忘れた。さらに運が悪いことに、運よく記憶が残っていた人間同士でちょっとした、それこそ縮れ毛が石鹸に張り付いていたとか、リコーダーをお尻に刺したとかいう、いさかいが頻繁に発生し、その争いで多くの命が散って行った。さらに鉄棒を使った危険な遊びが流行ってしまい、かけがえのない尊い命が犠牲となった。かくして地球は半分に分かれ、片方は洋になり、そしてもう片方に腰を掛け、空をあおいでいた和人が手にしていたものがクレヨンであったという説を提唱するクレヨン信仰が社会問題に発展しそうだとか、しなさそうだとか話している女子高生の隣で、片手を腰に掛け、ペットボトルに入ったいいちこを煽っているその人物こそ危険な存在であることに誰も気が付いていない、金曜の夜。
耳を中を埋める喧騒がゆっくりと遠のいていく感覚に酔いしれながら、男は眠りについた。

当時のミョウガについて

当時のミョウガは今よりも、物忘れが激しく起こり、いわば最後の手段として用いられていた。
現代でもミョウガを食べ過ぎると、宿題をやったけど家に忘れて来た等の問題が発生している。
体操着に着替えようとしたら、両方とも上着だった時の記憶は今でも鮮明に覚えている。
また、何故か姉の奴が入っていて、ゼッケンに書かれている名前や学年が違うと揶揄されたことは記憶に新しい。ミョウガとは悪魔の食材である。

殺された星

我々の住んでいる星は、もともとひとつであった。それが、2つに分裂し、大きな戦争があり、片方の星は殺された。その殺された星の絞りカスを我々は月と呼んでいる。もともと月は女王と呼ばれており、高い技術力が作り出す様々な兵器、圧倒的な軍事力から、無慈悲な女王とも呼ばれていた。

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